▼N素体


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アルギオン・ニュクリウス (Algion Niucriuth)

「真贋証明者、真の姿を失った者」

 

 N崩壊時に変じてしまった不定形の彼の現在の姿。基本は無数の目や爪を持つ靄や霧状の身体で大きさは安定していない。普段はこの姿のまま世界のどこかを漂っているという。

 (絵の両側の矢印をクリックで性格チャートが表示されます)


▼境界意志


Vokeryne (ヴォークライン)

「世界を綾なす無数の糸」

 

 彼の正体は世界の外部に無数に存在している糸「境界意志」と呼ばれるもののひとつであり、「歴史のターニングポイント」そのものであった。

 彼の言う「歴史」とは、ひとつの世界での時間が経過することで生まれていく一本の正規ルート「正史」……時間軸のことであり、元々彼は紡がれた歴史から分岐して生えて来るパラレルのルート「偽史」「選択肢の枝葉」を切り落として一本のルートに統一し、世界を継続させる役割を担う存在だった。つまり彼は現在も自身の性質は失っておらず、本能的に正しく行動していたことになる。

 現在の在処偽音は本来形のない「境界意志」が「時間のエネルギーの崩壊」という異変により、人格とキャラクターの要素を得て世界に顕現したものである。「元の姿」というものはキャラクターとして見た場合、最初からなかったとも言える。


▼「境界意志」とは


 「境界意志」とは世界の外部にあり、様々な世界を成立させ得るという無数に存在する糸のようなもので、「性質」・「条件」・「ルール」、あるいは「現象」と同義である。

 基本的にその「外部」とは「発生/誕生(プラス)」「消滅/死(マイナス)」の力の均衡を保つ「虚無(ゼロ)」のエネルギーとして存在するが、それはゼロがゆえにひとつの世界に住むものにとっては知覚することが困難である。その中で境界意志はプラス、あるいはマイナスのどちらかに片寄ったエネルギーを持つ存在で、知覚出来たものは何らかの知識や力を得ることが出来るという。

 絵面のイメージとしては境界意志は何もない中に張り巡らされた無数の糸で、それぞれが絡まり合い、結び目に当たる場所に世界がある。そしてその結び目はひとつではないため世界と世界を行き来したり「分離」、「連結」、「融合」する可能性を持つ。

 

 ただ、「意志」とあるがなにかしらの人格なのかただの例えなのか、各意志はその枠を超越したものであるため判然としていない。糸の形はそれぞれ異なり、キャラクターとして描けるものと描けないものがある。

 少なくとも創造神に該当するものではなく、神もまた境界意志の作るルールの下にある(これは神も種族のひとつとして扱っているため)。

 また、境界意志は「不生不滅(∞)」のものであり始まりも終わりの要素も持っていない。なので「境界意志はいつからあったのか」と聞いても無駄である。

 

 境界意志が複数本交差すればその場所と周辺に「発生/誕生(プラス)」もしくは「消滅/死(マイナス)」という「現象」が起こり、「世界(空間)」を成立させたり地形や生物に何らかの変化を及ぼす。その後も糸の変化次第では交差した場所に更に影響が及ぶ。

 稀に周辺にある境界意志そのものも影響を受け、在処偽音は他の境界意志間で発生した現象で自身の情報が変化した。更に「発生/誕生(プラス)」の力を強く受けてキャラクターという「個」と靄の姿が追加・再構築されて現在に至る。

 

 境界意志はそれぞれ人々への関わり方も異なっており、出来た世界に関心を示すものもあれば全く無関心なものもある。今の在処偽音は糸にしてキャラクターとしての人格と意志を併せ持つ「個」の存在であり、かつ傍観せずに人々へ歴史という形で干渉しようとする性質を持つ。

 ただその干渉は創造や破壊そのものを目的としてはおらず、結果としてそうなるだけに過ぎない。「個」となった在処偽音は、時に本来の境界意志としての役割や本能に反する道を選択できる可能性を持つことになった。

 

 また、この性質に気付いた者がいた場合、自分の望む道を作る道具にすることも出来る。在処偽音にとって「正史」であれば邪魔をすることはない。しかしそれは境界意志としてであり、「個」の存在として「偽史」を自分の意志で選ぶ可能性も十分にある。 

 

 なお、キャラクターとしての在処偽音は殺すことが出来るが、境界意志としては消滅させることは困難ということになる。但し、世界に影響させない方向に持っていくことは可能。その必要があるかどうかは展開次第だが……。